世界で最も多くの人間を殺めた武器とは??
その答えは、第一次世界大戦のガトリングに代表されるように、銃器であると言えますが、
最も多くの人間を死に追いやった銃器は何かというと、
それは、AK-47です。
1940年代半ばにロシア(当時はソ連)で開発され、
構造がシンプルかつ、取り回しが効き、大量生産が出来、どんな悪い環境でも銃を放てることから、
『グリスが水に濡れようが、砂に埋めようが、引き金を引ける』
というほど、高い評価を勝ち取った銃器です。
FPSとかの戦争系ゲームでは、選べる武器の中に必ずあったりしますね(笑)
困ったら僕はこれをチョイスしてました(ゲームの中で、ですよ)
その完成度の高さから、
当時の銃器の業界における圧倒的な信頼を勝ち取りました。
そのAK-47の生みの親、
ミハイル・カラシニコフは、この銃器の発明でロシアの最高勲章の
「ロシア連邦英雄」
の勲章を授与されています。
しかも、その完成度から半世紀以上も使用され、様々なコピー品が作られたりと、
『世紀の銃』
の異名を取るほど、優れたものだったのですが、
その用途の多くが、テロ、紛争、犯罪などに多く使われているのが実際のところ。
祖国を守るという功績の点では、英雄ですが、
その英雄の影は想像以上に黒く、深かったようです。
ミハイル・カラシニコフ自身は、
『祖国のロシアを守るために作った』
と言っていますが、
結果、それをどう使うかを判断するのは発明者ではなく、
その時代の有力者なわけで。
結構、昔の発明者の、発明の瞬間を見ているとその多くは悪意ではなく、
その人の善意によって生まれるケースが多いです。
ノーベル賞のもとになったアルフレッドノーベルも、
建築土木用のダイナマイトを開発し、その力が抑止力になると想定したものの、結果的には戦争に利用されてます。
自分が産み出した“子供”が何をするかは、親であっても選択できないってのは、当然ですがこの場合、皮肉な話ですよね。
人間であれば、教育によって良き選択に導くこともできるかもしれませんが、
意思なきモノであるのならば、そうはいかないケースがほとんど
です。
AK-47という子を生みだしたミハイル・カラシニコフ自身も、その例外ではなく、
自身の子供が、世界で最も多くの人命を殺めたことに対して、自分の罪を告白したりと、その死に対しての自責の念を感じていた
そうです。
彼自身、AK-47の銃器の発明以降の晩年、
「カラシニコフ」ブランドのウォッカの販売と
「カラシニコフ・ウォッチ」ブランドの時計を販売し始めます。
その販売活動は、
自身のブランド自体の平和への訴えと、団結、協調の重要性を主張するものでした。
そして彼は、2013年12月にその生涯を終えます。
自身を
“ロシアの英雄”
たらしめ、
世界で最も多くの人命を奪った
銃器の発明者の死までの晩年は、
平和な世界に向けてのメッセージを伝えることと、
自分の手で生み出した罪と向き合い続ける日々でした。
彼の販売していた「カラシニコフ・ウォッチ」の時計のケースバックには、
すべて、こう刻まれています。
『テロリズムのない自由な人生を』